2014年8月15日金曜日

結晶構造の問題

問 立方晶閃亜鉛鉱型(硫化亜鉛型)構造の単位格子を下図に示す。この構造では、面心格子の格子点(黄色)に陰イオン、下図紫の位置に陽イオンが存在する。以下の文章の空欄$\fbox ア$から$\fbox カ$に適切な数値を入れよ。

ただし$\sqrt{2} = 1.41, \sqrt{3}=1.73$、アボガドロ定数$6.0\times 10^23 \rm mol^{-1}$とし、$1Å=10^{-10}m$である。

Sphalerite unit cell 3D balls

a) 陽イオンの配位数は$\fbox ア$である。

b) 単位格子中に含まれる陰イオンと陽イオンの数はそれぞれ$\fbox イ$、$\fbox ウ$である。

c) 式量90の化合物がこの型の結晶構造をもち、密度が$4.0\ \rm g \ cm^{-3}$であるとき、単位格子の体積は$\fbox エ$$Å^{3}$である。

d) 単位格子の一辺の長さが5.20Åの場合、陰イオンと陽イオンの距離は$\fbox オ$Åである。

e) 陽イオンと陰イオンを互いに接触する球体と考え、陰イオンどうしも接している場合、陰イオンと陽イオンの半径比$(r^- / r^+)$は$\fbox カ$である。

解答

陽イオンから陰イオンを見ると接するのは4つ。よって$\fbox ア$は4

陽イオンの中心は光子中に4つあり、また球の全てが光子中に存在している。陰イオンは8つの頂点に$1/8$球が8個あり、6つの面の中央に半球が6つある。よって$\fbox イ$は4、$\fbox ウ$も4。

$\fbox エ$は保留

Untitled 1 01

図は立方体の対角線で切った断面図である。この図に従って求めれば。距離$r$は

\begin{align} r &= \sqrt{ \left( \frac{5.20}{4} \right)^2 + \left( \frac{5.20 \times 1.41}{4} \right)^2 } \\ & = 2.2 \end{align}

よって$\fbox オ$は2.2

$r^+ + r^- = r$なのだから両辺$r^-$で割れば

$$\frac{r^+}{r^-} = \frac{r}{r^-} - 1$$

$r^-$はさっき出てきたように格子の一辺を$l$とすれば

$$ r^- = \frac{\sqrt{2}l}{4} $$

rも同様に

$$ r = $$

とわかっているので計算できる。後は分母分子入れ替えれば答えが出る。$\fbox カ$は4.4

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