極値を求める問題は基本的に常に機械的に解けば求まるので簡単だと思いがちだが、だからこそたまに足をすくわれて間違えることがある。
例えば次の関数の極値を求める場合。
$$f(x,y) = x^3-xy^2-x^2+y^2$$
まず停留点を求めるので偏微分する。
\begin{align} f_x &= 3x^2 - y^2 -2x \\ f_y &= -2xy + 2y \end{align}
それぞれ0になる点を連立して解くわけだが、では$f_y=0$から始めて見る。
\begin{align} f_y = -2xy + 2y &= 0 \\ -2y(x - 1) &= 0 \tag{1} \end{align}
だから両辺$-2y$で割れば$x=1$が出て後は$f_x$に代入すれば終わり簡単だ。 …とやると間違える。
$(1)$をよく眺めてみると、$f_y=0$を満たすのは$x=1$のときだけではない。$x=1$の時であれば$y$の値は何であってもイコールゼロの関係は成り立つ。逆に$y=0$の時であればどんな$x$でもイコールゼロは成り立つ。
この条件を見つけ出してから$f_x$に当てはめてようやく全ての停留点が見つけられる。$x=1$だけでは全ての停留点が見つけられないので間違える。
で、$f_y$では$x=1$であれば$y$に制限はなく、$y=0$であれば$x$に制限はないのでそれぞれの条件を$f_x$に代入すると制限がかかり$f_x=0$と$f_y=0$両方を満たす$x,y$が求まる。
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