2014年8月23日土曜日

理想気体の自由度

理想気体の自由度について簡潔にまとめる。

単原子分子

単原子分子の場合、自由度としては並進運動として$x,y,z$方向の3つの自由度が考えられる。回転については考えないので結論として単原子分子の自由度は3

単原子分子の自由度は3

直線状多原子分子

まず直線状の2分子原子を考える。このとき自由度は並進運動が$x,y,z$の自由度3。回転運動として3軸考えられるが1軸は対称性から考えないので自由度2。よって足して自由度は5となる。

次に直線状は変わらず原子の数だけ増やした場合を考える。直線状であるならば原子が増えたところで自由度は変わらないことがわかる。並進運動の自由度は無論変わらないが回転運動についても1軸は常に対称なので変わらず結果多原子分子でも自由度5となる。

直線状であれば原子の数に関係なく自由度は5

非直線状多原子分子の自由度

非直線状となると先ほどまで対称性から考えていなかった回転運動の1軸が自由度を持つようになるので自由度は6になる。

非直線状多原子分子の自由度は6

振動について

以上の結論は分子を剛体モデルとして見た時の話である。一段階だけ現実に近いモデルを考えるとするとそれは振動の考慮である。多原子分子であれば分子間の振動が考えられる。上の結論はこの振動を考えていなかったが、それは常識的な範囲の温度では大きく関わってこないからである。(それとは別の話だが上の結論は実在気体と結構ずれる。あくまで理想気体のとして考えた場合の話。)

一応多原子分子の振動についても書いておく。通常$N$原子分子の自由度は$3N$になる。ここから並進運動と回転運動の自由度を引けば振動の自由度が得られる。よって

直線状多原子分子の振動の自由度$=3N-5$

非直線状多原子分子の振動の自由度$=3N-6$

0 件のコメント:

コメントを投稿